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Tea time
13 décembre 2012

頸にかけでも

頸にかけでもするかのように真中に孔を穿った貨幣まであって、――世界中のほとんどあらゆる種類の金かねがこの蒐集物の中にあったに違いないと思う。数はと言えば、確かに秋の木この葉のようにあったので、私の背中は屈んでいるために痛くなり、指はそれを択り分けるのでずきずきしたくらいであった。
 次の日もまた次の日もこの作業が続いた。毎日夕方になると一財産が船に積み込まれるのだが、しかし次の一財産が翌朝を待っているのだった。そして、この間中、私たちはあの三人の生き残っている謀叛人の消息を少しも聞かなかった。
 とうとう、――三日目の晩だったと思うが、――先生と私とが、島の低地を見下せる山の肩のところをぶらぶら歩いていると、その時、下の真暗な闇の中から、叫んでいるようでもあり歌っているようでもある声が風に運ばれて来た。私たちの耳に届いたのはほんの少しで、その後はすぐ元の静寂に返った。
「可哀そうにな。あれぁ謀叛人どもだよ!」と先生が言った。 

ガラスコーティング

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